落ちてゆくのは
彼方との想い出
彼方の記憶
足元見れば
たくさんの落ち葉たち
そして私には
何も残っていない
ポカポカ ポカポカ
暖かい季節を
彼方と過ごしてきた
鳥たちのさえずりさえ
離れてゆく
私に残されたのは
どこへもゆくことのできない
己自身の姿だけだった
カサカサ カサカサ
誰かが近づいてくる
音がする
すっと静かに
私の足元に座り込む
何も残っていない私を見て
一度だけやさしく微笑むと
貴方は歌いだした
ラララ ルルル
やさしい歌が聞こえてくる
その歌はどこか懐かしく
寒い身体を暖めた
急に振り出した雨も
優しくぬぐってくれた
その歌声を聴きながら
少しの間静かな眠りについた
疲れ果てたからだが癒えたころ
また会いましょう
新しく芽生えた
新芽たちとともに・・・